大和市に移り住んでから、週末を過ごすのにどんなところがあるかなぁと思っていました。夫婦で楽しめる場所や、将来子どもと一緒に家族で思い出を作れる場所があるとうれしいな、なんて。
今回はそんな希望にぴったりなスポットを見つけたので訪問してきました。静かな住宅街にたたずむ「ステンドグラス屋」さん。色とりどりのガラスを自由に組み合わせて、世界にひとつだけの作品を作る体験は、きっと心に残る時間になります。

看板の写真を撮っていたら、ご主人がドアを開けて出迎えてくれました。静かで落ち着いた雰囲気をまとった工房のご主人。長年ガラスと向き合ってきたそのたたずまいは、まさに職人という印象でした。どこかやさしい眼差しと温かさを感じる方で、初めてでもすっと安心できる空気感をお持ちの方でした。
ステンドグラス屋とは?ガラスの魅力に出会える場所
「ステンドグラス屋」は、鶴間駅から歩いて10分少々、住宅街の一角にひっそりとたたずむ、小さなステンドグラス工房。決して派手な看板があるわけでもなく、知る人ぞ知る隠れ家的な場所です。そして、扉を開けて中に入ると、静かに灯る創作の時間が広がっていました。

オーナーは15年近くこの工房をひとりで営まれているそうです。話を聞いてみると、もともとものづくりが好きだったとのことで、「何かを作りたい」と思い立ち、試しにステンドグラスに触れてみたところ、すぐにその魅力に引き込まれたそうです。そこからは5年にわたって師匠に弟子入りして本格的に修行を重ね、現在の工房を構えるに至りました。
ステンドグラスというと、どこか格式高くて手が届きにくい印象を持つ方もいるかもしれませんが、こちらの工房にはそんな堅苦しさはまったくありません。まるで趣味の延長のように、けれど技術は確かに本物。ものづくりが好きな人にはたまらない、“自由”と“本格”が共存する不思議な空間です。

誰でも楽しめる!自由度の高いステンドグラス体験
ステンドグラス屋で体験できる内容は、とにかく自由度が高いのが特徴。主なコースは「オーナメント」か「鏡などの壁飾り」の2種類ですが、決まったデザインをなぞるようなスタイルではなく、ガラスの色や形を自分で選んで、思い思いの作品を作ることができます。

体験の流れとしては、まずはガラスを好みの形にカットして、ハンダで接着していくというもの。やったことがないし難しいかも、と思わなくて大丈夫。初めての人でも丁寧に教えてくれるので安心してください。むしろ、工程ひとつひとつが新鮮で、夢中になってしまうかも?
参加者は、カップルや家族連れ、友達同士などさまざま。小学生の高学年くらいからは一人でも作れる人が多いみたいです。親子で一緒に作業を楽しむなんていいですよね。中には、ひとりでじっくりとものづくりを楽しみに来る人もいるそうで、ふとした休日に心を整える大人の趣味としても良さそうです。

来店されるのも、地元の人だけでなく、東京をはじめ、広く神奈川県の内外から「ここでしか作れないもの」を求めていらっしゃるそうです。
日常から少しだけ離れて、自分の手で形にしていくガラスの世界。その時間そのものが、特別な思い出になりますね。
たとえば、窓辺に吊るした小さなガラスのオーナメントは、朝の光を受けてキラキラと表情を変えますし、玄関に飾る鏡は、訪れた人を優しく迎えてくれるアクセントに。
そんなふうに、作った作品が家の中で活躍する様子を想像しながらデザインを考える時間もまた楽しいものです。
体験は予約制で、公式ホームページなどからいつでも申し込むことができますよ。
暮らしに彩りを添える作品たち
ステンドグラス体験で作る作品は、どれも世界にひとつだけ。吊り下げるオーナメントや壁に飾る鏡のようなインテリア小物から、希望すれば簡単なランプのような作品なら挑戦できるとのこと。光を透かして輝くガラスの美しさは、部屋の雰囲気をパッと明るくしてくれて、暮らしに小さな彩りを添えてくれる存在です。

妖怪がお好きだというご主人が作るランプは、とてもかわいらしいものがたくさん。体験の合間に見させてもらうことで、さらなる創作意欲に火がついてしまうかも(笑)。
こういったランプはご主人が作っておよそ3日ほどかかるそう。細かなデザインほど手間もかかりますが、その分だけ愛着も深まります。何度も体験を重ねて、こんなランプをいつか自分の手で作れたら楽しそうですね。
ちなみに、「自分、不器用なんで」という方には、オーダーメイドも受け付けています。

(こんなに細かいステンドグラス、いったい何日かかるのでしょうか……)
観光スポットではないからこその魅力
いわゆる観光地のようなにぎやかさや派手な演出はありません。けれど、この工房には、もっと静かで深い魅力があります。誰に急かされることもなく、好きなガラスを選び、黙々と手を動かしていると、不思議と心が落ち着いていく。
「観光で立ち寄る」よりも、「日々の暮らしの中に自然とある」。この工房は、そんな存在に近い気がしました。

手づくりのガラス作品が並ぶ室内は、決して大きくはありませんが、光が差し込むとガラスの色がやわらかく広がっていくのがわかります。
ステンドグラスと聞くと、漠然と「きれいだろうな」という印象がありましたが、実際に目にすると「やっぱり本物は迫力があるなぁ」と思いました。
体験というと特別なものに感じますが、ここでは日常の延長にあるような感覚で楽しめます。
忙しい日々の中で、ふっと訪れることができる場所。穏やかで丁寧な時間が流れているステンドグラス屋で、ぜひ一期一会の体験をしてみてください。
ステンドグラス屋
住所:神奈川県大和市上草柳7-4-4
アクセス:小田急線「鶴間駅」から徒歩約12分
TEL:046-200-3750
営業時間:体験教室は10:00-12:30または13:30-16:00
定休日:土日(体験教室は応相談)