放課後に子どもたちが集まる「駄菓子屋 八起(やおき)」大和

この道を通るたびに気になっていたのは、駄菓子屋さんの旗です。
調べてみると公式ホームページのほか、インスタグラムもありました。
お菓子を選んだりゲームをしたり、イベントを楽しむ子どもたちの様子が紹介されていました。
その様子がとても気になり、今回の取材で訪れてみることにしました。

住宅街にある駄菓子屋 八起

駄菓子屋 八起(やおき)は、大和市文化創造拠点シリウスから歩いて5分ほどの住宅街の一角にあります。お店は自宅の1階の一部を改装して造られています。

一見すると見つけにくい場所ですが、近くには旗や「飛び出し注意」の看板があり、目印になっています。
入口が道路側ではなく奥まった位置にあるのは、子どもたちの安全を考えてのことだそうです。
こうしたところからも、子どもたちへのやさしい気づかいが感じられました。

店主さんは開店準備をしながらも、こころよくお話ししてくださいました。
しばらくすると、学校帰りの子どもたちが次々とやってきます。

店主さんは、子どもたちが選んだケース入りのお菓子を開けてあげたり、お会計をしたり。
くじを引いた子には景品を渡したりと、忙しそうです。
店内もだんだんにぎやかになっていきます。

店内にはいろいろな駄菓子が並び、子どもたちが自分で選びやすい高さに丁寧に並べられています。
自分が子どもの頃に好きだったロングセラーもあり、懐かしさとうれしさを感じました。

小さな買い物かごも用意されていて、お母さんと来た小さな子どもが、かごに駄菓子を入れながら選ぶ姿も見られました。
「お散歩帰りに寄ったのかな?」と想像しながら、とても幸せな光景だと感じました。

放課後の駄菓子屋の風景

子どもたちは小銭を手に、「あといくら残ってる?」と友だちと相談しながら駄菓子を選んでいます。
限られたおこづかいの中で、どのお菓子を選ぶか真剣に考えている姿が印象的でした。
自分もそうだったなあと懐かしく思い出していました。

中には、選んだカップラーメンにお湯を入れてもらい、外のベンチでおしゃべりをしながら食べている子どもたちの姿も見られました。
ベンチの横にはゴミ箱も置かれていて、食べ終わったあとに片付けられるようになっています。

お店の前には子どもたちの自転車がたくさん並び、放課後のにぎやかな様子が伝わってきました。
自転車は大きなものから小さなものまでさまざまです。みんなベンチ前や入り口前を避けて、上手に置いていました。

一番人気はくじ

店主さんによると、お店で一番人気なのは”くじ”とのことです。
くじ!なんとわくわくする響きでしょう。
とくにあの右上の大きなクモは目を引きました。当たったら盛り上がりそうです。

子どもたちは、何が当たるのかを楽しみに、くじに挑戦していました。
くじを開くと、思わず「やった!」と声があがったり、周りの子が「おれもやろうかな」と期待を膨らませたりして、ちょっとしたざわめきが広がります。

目につきやすい高いところにある商品は、店主さんが取って渡してくれます。
子どもたちの目は、とてもキラキラしていました。

ジャンケンマンに集まる子どもたち

店内で私も駄菓子を選んでいると、外から子どもたちの歓声が聞こえてきました。
何があったのだろうと思い顔を上げると、店主さんは「メダルが出たんだね」とにっこり。
外へ出ると、入口横のゲーム機「ジャンケンマン」の前に子どもたちが集まっていました。

「ジャンケンマン」は、ルールがとても簡単です。
ジャンケンするだけなので、小さい子でもすぐ遊べるのが魅力です。
勝つとメダルが増えます。勝つたびにメダルが出るので、「次も勝てるかな?」というわくわく感があります。

八起(やおき)独自のルールで、メダル3枚を持って店主さんに渡すと、駄菓子と交換してもらえるようです。

高学年の子が低学年の子に遊び方を教えている姿も見られました。
子ども同士で自然に教え合っている様子が印象に残ります。

もちろん、いつも勝てるわけではなく、あっという間に終わってしまうこともあります。
それでも子どもたちはよく考えながら何度か挑戦していて、楽しそうな様子でした。

家族や知人たちの協力で生まれた駄菓子屋

店主さんは以前から、いつか駄菓子屋をやってみたいという思いを持っていたそうです。
家族にもそのことをよく話していたといいます。

実際に始めると決めてからは、知人たちの協力もあり、お店づくりが進んでいきました。

ご主人の知り合いには卸業をしている方がいて、駄菓子の仕入れを手伝ってくれたそうです。
また、お店の改装準備は娘婿さんたちが手伝ってくれました。
お店の前に置かれているベンチも知人の方が譲ってくれたものだそうです。

さらに、駐輪場のそばにある飛び出し注意の看板も、娘婿さんが自宅で使っていたものを譲ってくれたといいます。

店主さんは「たくさんの人に協力してもらって、恵まれています」とうれしそうに話してくれました。

こうして多くの人の協力を受けながら準備が進み、駄菓子屋 八起(やおき)は2022年7月31日にオープンしました。

店名「八起」に込められた思い

店名の「八起」は、「七転び八起き」という言葉にちなんで名付けられたそうです。
何度転んでもまた起き上がるという意味があり、縁起のよい言葉としても知られています。

私が「インスタグラムはどなたが運用されているのですか?」と聞いたところ、お店のインスタグラムを、私に見せながら教えてくださろうとしていた店主さん。
その優しさが伝わってきました。
インスタグラムは、娘さんが運用しているそうです。
いままでのイベントの様子などものっています。

地域の子どもたちとの関わり

店主さんの話では、近くの小学校の子どもたちが授業の一環でお店の見学に来てくれたこともあったそうです。

地域の中で、子どもたちが集まる場所のひとつになっているようでした。

こちらは、取材日に店内にいた子どもたちに教えてもらった、おすすめの駄菓子です。
一緒に選んでもらいながら、かごに入れていきました。

レジに並びながら、「料金を気にせず、かごに駄菓子を入れられる“おとな”になったのだなあ」と、しみじみと思いました。

お店は小学校が終わる時間に合わせて、午後2時にオープンします。
定休日は水曜日で、臨時休業についてはインスタグラムでお知らせしているそうです。

店主さんの思いと家族や知人たちの協力で生まれた駄菓子屋 八起(やおき)。
放課後になると子どもたちが集まり、にぎやかな声が聞こえてくるステキな場所でした。

駄菓子屋 八起(やおき)
住所:神奈川県大和市大和南1-13-8
アクセス:小田急江ノ島線・相鉄本線「大和駅」から徒歩約8分
営業時間:14:00-18:00
定休日:水曜日(臨時休業はインスタグラムでご確認ください)
駐車場:あり(1台 兼 駐輪場となっています。)

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。