桜ヶ丘駅東口を降りるとすぐ脇に、さまざまな商店が軒を連ねる桜が丘銀座通りがあります。
短いながらもどこかノスタルジックな雰囲気が漂う駅前の象徴的な通り。それもそのはず、この商店街は2018年から活性化を目指し、年に数回の朝市が開かれるなど、地元の人々が集う場所となっています。
今回ご紹介する「Jeans Shop LOOK」は、商店街と共に43年の歴史を刻んできた衣類販売とデニムリペアのお店です。時を重ねた技術と心を込めたサービスで、SDGsが叫ばれる今の時代に、とても意義深い役割を果たしていると感じます。
カッコいいヴィンテージ・クラシック
お店の前のショーウィンドーには、日本発祥のデニムブランド「EDWIN」やアメリカの「Lee」のサインが飾られ、どこか異国の街角を思わせるヴンテージ感漂うディスプレイが目を引きます。
その中でも、軍用ウェアから着想を得てデザインされたアルファ・インダストリーズのミリタリーパンツが印象的です。見入ってしまうほどのかっこよさで、「こういったパンツが似合う人はいるんだろうな…」と思わず立ち止まってしまいました。
まるで桜ヶ丘駅にいながら、下北沢や原宿のようなおしゃれな街並みに迷い込んだような気分になります。それでは店内におじゃましてみましょう。
常連さんも通うお直しのご相談
店内にはリメイクされたデニムやGジャン、そしてこれからの季節にぴったりな、ふわふわの襟元が温かそうなコートが並んでいます。また、ユニオンジャックのかすれた風合いがクラシカルな雰囲気を醸し出し、空間にアクセントを加えています。
ほどなくして常連のお客さんが訪れ、店長と衣類について相談が始まりました。愛用の衣類を持ち込み、「ここにこうして、ここが…」といったやり取りが交わされ、店長が丁寧にアドバイスをしている様子です。こうしたやり取りを見ていると、ジーンズはリペアしながら長く履くことで、自分に馴染んでいく特別な衣類だと実感します。
ちなみに、ジーンズはアメリカで金鉱採掘や農業の作業用として丈夫な衣類として誕生し、20世紀初頭に一般向けに広まりました。ヴィンテージものだけでなく、きっと誰もが一度は履いたことのある、そんな馴染み深い存在ですね。
ご依頼の中で特に多いのが、穴の開いてしまったジーンズの修復です。そこで、店長が作業中に心がけていることをお伺いしました。
1. 厚みや硬さが出ないよう調整し、しなやかで履き心地よく**:修復後も快適に履けるよう、素材感を大切にします。
2. 自然な劣化を楽しめるように修理しあえて過度な修正をせず、経年変化を味わい深く感じられるよう心がけています。
3. 変な色落ちをすることなく、丈夫に長持ちさせる**:色の統一感を保ちつつ、耐久性を考えた修復を行います。
ただ修復するだけでなく、ジーンズ特有の風合いを大切にしながらの作業は、40年以上の熟練の技が生かされていることを実感しました。また、それぞれの生地の性質を理解することが不可欠であるため、非常に繊細な工程であることも理解できました。
特別なミシンで仕上がる1本
ジーンズの裾上げに使用されているミシンは、アメリカ製のユニオンスペシャル43200Gというヴィンテージの特別なものです。
このマシンを使うことで、ヴィンテージデニム特有の「パッカーリング」と呼ばれるシワ加工が可能になります。
特殊な技術に感動するお客さんが多く、リピートや遠方からの依頼も増えているそうです。
お値段以上の丁寧な仕上げを目指して日々努力されているとのことで、プロの縫製業者ならではのこだわりが感じられます。
こうして仕上げられたスペシャルな一本は、履くたびに喜びを感じることができ、さらに愛着が増していくことでしょう。
私自身も、今履いているデニムのポケットのほつれやボタンが取れてしまったことで出番が来なくなったジーンズを思い出しました。
“捨てずに直してもらう”という選択肢が増え、お気に入りのものを大切にしながら豊かに暮らしたいと思わせてくれました。
ぜひ、お気に入りのジーンズに関して“Jeans Shop LOOK”にご相談してみてくださいね。
JeansShopLOOK
住所:神奈川県大和市福田5531-1
アクセス:小田急江ノ島線「桜が丘」徒歩約2分
TEL:046-267-5011
営業時間:火~土11:00~19:00
定休日:水