イオンモール大和の一角にある「こども〜る鶴間」。
初めて訪れた私は少し驚きました。
「思っていたより暗い……?」
子どもが遊ぶ場所というイメージとは違い、室内はやわらかな照明に包まれています。
その理由を教えてくださったのは、地域家族しんちゃんハウス代表の館合みち子さん。
お話を伺ううちに、最初の印象は「なるほど」に変わり、この空間づくりには親子への深い思いやりが込められていることを知りました。
主役は子どもではなくお父さん・お母さん

「ここは子どもを遊ばせる場所ではなく、お父さん、お母さんの居場所なんです。」
館合さんが最初に話してくださった言葉です。
一般的な子育て支援施設というと、子どもが元気いっぱい遊べる場所を思い浮かべる方も多いでしょう。
もちろん、子どもたちは自由に遊ぶことができます。

床はクッションフロアになっていて、ハイハイをしながら広いスペースを自由に動き回れますし、クッション性のある長椅子は、つかまり立ちを始めたばかりの子どもには、ちょうどよい練習場所になりそうです。
わが家の子どもたちは、おままごとをしたり、ホースを落とすおもちゃで遊んだり。特にボールのおもちゃが気に入ったようで、こちらが「まだやるの?」と思うほど、何度も繰り返して遊んでいました。
このように子どもたちが遊べる場所であるのはもちろんですが、こども〜る鶴間の本当の目的は、お父さんやお母さんがほっと一息つき、情報交換をしたり、困ったことを相談したり、自分らしく過ごせる場所であること。

実際、この日もお母さんだけでなく、お父さんとお子さんの姿も。
「親が元気なら、子どもも元気。」
20年以上にわたり地域の子育てを支えてきた館合さんだからこそ、この言葉には重みがあります。
子どものための場所だと思って訪れたはずが、気づけば親である私自身のことも大切に考えてくれている場所でした。
暗いのではなく、心と体が休まる明るさ

取材前、私が一番気になっていたのは照明でした。
室内はショッピングモールの明るさとは対照的に、やわらかな照明に包まれています。
館合さんによると、その場所に必要な明るさを大切にしているからなのだそう。
「ショッピングモールは商品をきれいに見せるための明るさが必要。でも、その明るさは人が長時間過ごすには疲れてしまうこともあります。」
だからこそ、こども〜る鶴間では親子が心も体も落ち着いて過ごせるよう、照明にも配慮しているそうです。
「買い物で疲れて、ここでも疲れて帰ってしまっては意味がないでしょう。」
その言葉を聞き、子どもと出かけると帰宅後は親子そろってぐったり……という自分の姿を思い出しました。
だからこそ、この場所では親子が気持ちを落ち着かせ、そのまま穏やかな気持ちで家へ帰れるような環境づくりを大切にしているのだそうです。
最初は「少し暗いな」と感じた空間も、取材を終える頃には不思議と心地よく感じられました。
ゆっくり丁寧に、納得がいくように
館合さんが何度も口にしていた言葉があります。
「ゆっくり丁寧に、納得がいくように。」
わからないことがあれば、とことん調べ、自分で知識を身につける。
情報に振り回されるのではなく、自分が納得できる答えを見つけたうえで子どもと向き合うことが大切なのだと館合さんは話します。

SNSやインターネットには子育てに関する情報があふれているからこそ、誰かの正解ではなく、自分が納得した答えを見つけることの大切さを改めて感じました。
また、毎日時間に追われ、「早く」「急いで」と子どもに声をかけてしまうこともありますが、それでも焦るのではなく、子どもとの時間を大切に積み重ねていきたい。
取材を終えた今も、「ゆっくり丁寧に、納得がいくように。」という言葉が、心に残っています。
一人で抱え込まなくていい。気軽に相談できる場所

館合さんによると、以前は離乳食や食事の相談が多かったそうですが、近年は発達に関する相談が増えているとのこと。
時代とともに変化する子育ての悩みに合わせ、こども〜る鶴間では保健師や管理栄養士など、さまざまな専門家による相談会も開催されています。
また、施設の目の前には、授乳やおむつ替えができる個室型ベビーケアルームmamaroも設置されており、赤ちゃん連れでも安心して利用できる環境が整っています。
一人で抱え込まなくていい。
そう思える場所が、地域にあることの心強さを改めて実感しました。
子育てを頑張る人が、ほっと一息つける場所

取材の最後、館合さんはこんな言葉をかけてくださいました。
「子育てをしているだけで、本当に素晴らしいことなんですよ。もっと誇りを持っていいんです。」
その一言に、肩の力がふっと抜けるような気持ちになりました。
買い物の途中に少し立ち寄って、お子さんを見守りながらほっとひと息つく。
専門家に相談したり、ほかの保護者と話したり、何もせずゆっくり過ごしたり。
そんな時間が、子育てを少しだけ軽くしてくれるかもしれません。
大和市には、子どもだけでなく「お父さんやお母さんが笑顔でいること」にも寄り添ってくれる場所があります。
子育てを頑張るお父さんやお母さんにこそ、知ってほしい場所でした。
こども~る鶴間
住所:神奈川県大和市下鶴間1-2-1(イオンモール大和4階)
アクセス:小田急電鉄江ノ島線「鶴間駅」から徒歩約6分
TEL:090-3685-2288(運営:特定非営利活動法人 地域家族しんちゃんハウス)
営業時間:10:00-18:00
定休日:なし(年末年始及びイオンモール大和閉店日を除く)
駐車場:あり



















