TRATTORIA Più(トラットリア ピュー)を知ったのは、Instagramでした。おいしそうなお料理と、心のこもった投稿の文章に惹かれ、ぜひ行ってみたいと思ったのがきっかけです。
鶴間駅には初めて降りました。駅にはエレベーターとベビーケアルームがあり、赤ちゃんや子どもにもやさしい街だなと思いながら、お店へ向かいました。

改札を出たら左へ進み、東口の階段を降ります。ローソンが見えるので、その前の横断歩道を渡って左折します。歩いて3分ほどでお店に着きます。

TRATTORIA Piùは、シチリアで修行したシェフが営むイタリアンです。トラットリアとは、イタリアの食堂のことです。
入り口の横には+のロゴ

入り口の横にあるのは、TRATTORIAとPiùの文字を十字でつないだロゴ。店名のアイデアとロゴのデザインは、シェフの奥様によるものです。Più(ピュー)はイタリア語で「+」プラスの意味。帰るときには「+」プラスの気持ちで、「明日も頑張ろう」「また来よう!」と笑顔で帰ってほしい。そんな思いが込められています。
このロゴは、スタッフさんのエプロンやシャツにも刺繍されていて、お店のセンスの良さを感じました。
店先には地元・深見の野菜の無人販売

お店の前には、地元の湘南OGIKUBO Farmさんの野菜が並ぶ無人販売の棚があります。大和市深見の畑でとれた野菜で、ナスやジャガイモ、サツマイモが並んでいる日もありました。
「おいしい旬の野菜を地元の方にも」という思いで始めた店頭販売で、店内での食事ができないときにも旬のお野菜を買うことができます。
ビニール袋が用意されていて、自分で野菜を入れ、お金は貯金箱のような箱に入れる仕組みです。小銭を持っていくとスムーズに購入できます。シェフによると、午前中のほうがたくさん並んでいるそうです。

並ぶ野菜は日によってさまざまで、野菜が育つのを待つお休みの日もあります。湘南OGIKUBO Farmさんは、野菜のほかに深見産米「はるみ」も扱っています。お米はTRATTORIA Piùの店内で、数量限定で販売する予定だそうです。
扉を開けると、シチリアの州旗

扉を開けて店内に入り、左を見ると、赤と黄色の大きな旗が掛けられています。シチリア州の旗で、中央にはトリナクリアと呼ばれる三本脚の図柄。2000年に州の旗として正式に定められたものです。
シェフの奥様によると、店の外にはわかりやすいイタリアの国旗を掲げ、店内にはシチリアの州旗を飾ったそうです。
まずは黒板のメニューをチェック

席に着くと、黒板のメニューが目に入ります。旬の食材や良いものが入るたびに、黒板は更新されるそう。細かい文字でぎっしり書かれていることから、お料理に対する愛情や熱意が感じられます。来店したら、ぜひ見てみてください。
黒板の期間限定の欄には、「イタリアから空輸で届いてます!」の文字とともに、ポルチーニのメニューが並んでいました。
シェフが「朝便で届いた新鮮なポルチーニです」と、実物を見せてくださいました。

平日限定の「サクッと!ランチ」は、自家製フォカッチャ、サラダと前菜の盛り合わせ、数種類から選べるパスタまたはリゾットのセットです。

飲み物やデザートは追加で注文できます。
お昼から少し贅沢したい日は、パスタセットに選べるメインディッシュと自家製デザートが付く、フルコースランチもあります。ランチの予約は電話で受け付けています。
今回は、食べたことのないものを注文したくて、北海道産エゾシカ肉のミートソースビアンコ ショートパスタ ブッコリを選びました。

料理を待つ間、カウンターの中ではイタリア語が飛び交い、スタッフさんがテキパキと働いていて活気が感じられました。
生のマッシュルームに驚いた前菜の盛り合わせ

前菜は、千葉県産ブラウンマッシュルームのサラダと、皮目だけを炙ったタチウオ。焼き鳥のような串焼きは、ラム(子羊)の肉を使ったスピエディーニで、シチリア産オレガノと香草オイルがかかっています。
さらに、山形県産の洋梨と生ハムにリコッタを合わせたものと、小皿の野菜のレモン煮。野菜のレモン煮は、シチリア風のピクルスのような一品です。苦手な食材があれば、事前に伝えることもできるそうです。
マッシュルームは、新鮮でないと生では出せないそうです。しっとりとして、初めて食べる生のマッシュルームがおいしかったです。
前菜の中で個人的に一番好きだったのは、洋梨と生ハムの組み合わせ。洋梨はみずみずしくて甘く、生ハムと一緒に食べるとよく合います。

フォカッチャは毎朝焼いていて、バターは使わず、イタリア産の塩とオリーブオイルで仕上げています。お店が「どのイタリアンよりもおいしい自信があります!」と胸を張るフォカッチャで、私もとてもおいしいと思いました。もっちりとして、塩がアクセントになり、あとをひきます。
フォカッチャ専用のInstagram(@focaccia55)もあります。日々、その日のフォカッチャの写真と、想いのこもった文章が投稿されています。
初めて食べたエゾシカのパスタ

エゾシカを食べたのは初めてです。普段なかなか食べる機会のない、珍しいお肉です。牛すじ肉の煮込みのような食感で、くせのない、しっかりとした旨み。野菜で煮込んでいるそうで、こんなにおいしく仕上がるのかと驚きました。
パスタはイタリアから取り寄せたもの。弾力があり、ソースがしっかり絡んで、本場の味を感じました。家族連れで訪れる男の子がよく注文する一品だそうで、たしかに食べ応えがあります。フォカッチャと一緒に食べて、お腹が満たされました。
ひとりでも家族でも、ベビーカーでも気兼ねなく

店内には、ひとりで訪れるお客さんも、ランチに子ども連れで来ている方たちも、赤ちゃん連れのお客さんもいました。シェフの奥様が、ホールで接客をしながら、お客さんの赤ちゃんを抱っこしている姿もありました。

食後にアイスコーヒーをいただきながら、奥様とお話をしました。赤ちゃん連れでもベビーカーでも入店できることを確認すると、「自分へのごほうびに、敷居の高くないイタリアンを」とのこと。「いつも頑張っている自分にごほうびを」「温かいうちに食べてもらえるように」とおっしゃっていたのも印象的です。とてもステキだなと思いました。
シェフはカウンター越しにも話しかけてくださり、「次に行かれるお店は?」と、ほかのお店も紹介してくださいました。
おみやげに自家製の焼き菓子も

店内では、お持ち帰り用の自家製焼き菓子も販売しています。この日並んでいたのは3種類です。
トスカーナ発祥で2度焼きするカントゥッチ、シチリア産のアーモンドプードルを使った、シチリアの伝統菓子パスタ・ディ・マンドルラ。メレンゲとアーモンドで作るイタリアのお菓子、メリンガータもあります。自宅でコーヒーのお供に、と添えられていました。
取材の際には、メリンガータをいただきました。チョコが混ざった大理石のような模様で、カシュッと噛むと、中にはナッツが入っています。メレンゲのお菓子でチョコの味は珍しく、甘すぎず、ナッツが香ばしくてとてもおいしかったです。
ランチのお支払いは、現金のほか、キャッシュレスはPayPayのみとなっています。ディナー営業のときは、パーキングチケットを渡しているそうです(使用状況により案内できないこともあります)。

帰り際、州旗を撮影していたときのこと。シェフが「こんなにかわいいのもあるんですよ」と、トリナクリアをかたどった陶器の飾りも見せてくださいました。
ちょっと落ち込んでいた日も、うれしかった日も、お店を出るときにはにこにこと温かい気持ちになれる。TRATTORIA Piùは、私の大切な人にも訪れてほしいと思えるお店でした。
※記事内の価格は、2026年10月時点のものです。
TRATTORIA Più(トラットリア ピュー)
住所:神奈川県大和市鶴間1-3-7
アクセス:小田急江ノ島線「鶴間駅」から徒歩約3分
TEL:046-404-8830
営業時間:ランチ11:30-15:00(L.O.14:00)
ディナー17:30-22:00(L.O.21:00)
定休日:日曜日
駐車場:なし


















