大和市上和田にひっそりとたたずむパン工房ふらんす。
天然酵母・国産小麦にこだわり、乳製品・卵・砂糖を使わずに焼き上げたパンを販売しています。
食事制限がある人もない人も、同じテーブルで「おいしいね」と笑い合える、そんな食卓を願ってパン作りを続けているパン屋さんです。

自転車で見つけた、ステキな隠れ家パン屋さん
いつもはご飯派の私ですが、ある晴れた日にふとパンが食べたくなり、スマートフォンで検索してみました。「自転車で通える範囲で、まだ行ったことのないパン屋さんへ行ってみよう」と思い立ち、たどり着いたのがパン工房ふらんすです。

スマホのナビ音声を頼りに到着してみると、入り口は敷地内に入らないと見えない造り。
でも道路側にはしっかり看板が出ていました。
「こんにちは〜」と声をかけながら入ると、にこにこと出迎えてくれました。

お店の方が商品を並べている様子です。
写真撮影も快く了承していただきました。
この日は空いており、ゆっくりお話を伺うことができました。
こぢんまりとかわいい、自然に包まれたお店

店内は手作りのものに囲まれて、とてもかわいらしい雰囲気です。
お店のガラスには空や緑が映り込んでとてもきれいで、庭からは富士山も望むことができます。

入り口のガラスには、現在の店舗が6周年を迎えた記念として、お客さまが描かれたステキなペイントが施されています。
このペイントは、これからも少しずつ更新されていくそうです。訪れるたびに新しい表情に出会えるのも楽しみのひとつですね。

店内でパンを選ぶときに使うかごは、店主さんの手作り。トレーの代わりに、ひとつひとつ丁寧に編まれたかごが並んでいます。
このかごは、店主さんが開催されているワークショップでも作ることができるそうです。
どこか懐かしく、手に取るだけであたたかさを感じるかご。そこにお気に入りのパンをそっとのせながら選ぶ時間は、それだけで特別なひとときになります。
パンを選ぶ楽しさと、暮らしのぬくもり。そんなやさしい時間が流れていました。

お店の隣には、お客さまたちが力を合わせて建設したログハウスがあります。
2021年、コロナ禍で外出の予定がなくなった時期に、「みんなで作ろう」と自然に人が集まったそうです。
「GW中に完成させよう」と盛り上がり、ログハウスは数日で完成しました。
現在は、かごのワークショップや予約制ランチの場所として使われています。
人と人のつながりで育ったお店

このお店には、さまざまな人が関わっています。建物は宮大工の方に手がけていただいたそうで、釘や金具を使わない技法で建てられています。
(注:宮大工とは)
神社・仏閣などの社寺建築を専門とする大工のこと。釘や金具をほとんど使わず、木材を組み合わせる「木組み」という技法で仕上げるのが特徴です。
宮大工さんとのご縁も、人から人への紹介がきっかけだったそうです。長年のつながりが少しずつ広がり、多くの人に支えられながら、今のお店が形になっていったことを感じました。
パンを通じて自然と人が集まり、支え合いながら育ってきた場所なのだと思います。
3人で営む、あたたかいチームワーク

パン工房ふらんすは、右からお姉さん(店主)・お母さん・弟さんの3人で経営されています。お話ししているとその仲の良さがにじみ出ていて、こちらまであたたかい気持ちになりました。

商品棚には、自家焙煎コーヒーも並んでいます。
カフェインありとノンカフェインの種類があり、弟さんが焙煎からパッケージ作業まで手がけているそうです。
パンと一緒に楽しめるのがうれしいですね。
「パン工房ふらんす」という名前の由来

「パン工房ふらんす」という名前には、店主さんのあたたかな想いが込められていました。
30年以上前、この地域ではパンはまだ“おやつ”というイメージが強かったそうです。そんな中で、「パンを食事として楽しんでもらいたい」という想いが芽生えました。
パン作りの修行経験も、開業経験もないところからのスタート。それでも、「人が集まる場所を作りたい」「パン屋なら、きっと人が来てくれる」、そんな願いを胸に、お店を始められたそうです。
当時はまだコミュニティカフェという言葉もない時代。パンの本場をイメージさせる“ふらんす”という名前を選んだそうです。
最初は、店舗を持たず、ご近所から注文を受けて週に一度焼きたてのパンを届けるところから始まったそうです。その後、現在の店舗をオープン。お客さまやご友人、多くの方々に支えられながら、店舗新設から6周年を迎えました。
たくさんのご縁と支えの中で、店主さんの想いが少しずつ形になってきたことを感じました。
誰もが自由に選べるお店でありたい

卵や乳製品を使わないパン作りには、きっかけがありました。
卵や乳製品にアレルギーのある子どもを持つお母さんからのリクエストで、それらを使わないパンを作ったことがあったそうです。
「子どもがお店に来たとき、『これはいい、これはだめ』と言われないお店にしたい。誰もが好きなものを自由に選べるお店でありたい」。その想いから、今も卵や乳製品を使わないパンを焼き続けています。
天然酵母パンの定期便もあります

天然酵母パンをおいしく食べるコツは、温め直すこと。軽く水気を足して(スプレーや手水など)、オーブントースターで焼くと焼きたてのふわっと感がよみがえります。
月替わりの定期便もあるので、自宅からの注文も可能です。
インスタグラムには、購入したお客さまがうれしそうに開封される様子も載っていました。
今日選んだ4つのパン、食べてみました

パンの名前と値段は、弟さん手作りの木製プレートと、手書きの価格表で表示されています。
積み木のようなあたたかみがあり、お店の雰囲気にもぴったりです。
どれにしようか迷いながら選ぶ時間も楽しく感じられました。
どれにしようか迷っていると、「添加物が入っていないので、食べきれる量を買っていただくのがおすすめです」とやさしく声をかけてくれました。
体に良いものを丁寧に作っているからこその、うれしいひとことでした。

今回は、4つのパンを選んでみました。
お会計は現金払いのみです。エコバッグを持参していくのがおすすめです。

● かぼちゃパン(食べきれるよう2サイズあります)大320円 小120円
2サイズ展開。生地はもっちりと柔らかく、ベーグルに近い食感です。かぼちゃの風味は強すぎず、ほんのりとした塩気がアクセントになっていて、素材のやさしさがそのまま伝わってくるようなパンです。

● ココナッツクリーム250円
クリームパンのような甘さではなく、ココナッツ本来の上品な風味が引き立ちます。パン生地はむっちりとした弾力があり、食べ応えも十分。甘いものが苦手な方にもおすすめできる一品です。

● みそパン250円
表面がメロンパンのように生地で覆われた、ちょっと不思議な見た目。でも食べてみると、みそらしいしょっぱさは前に出ず、やさしくほんのりとした甘みが広がります。みそパンと聞いて身構えた方にこそ試してほしい、やさしい味わいです。

● マルゲリータ300円
豆乳使用・動物性チーズ不使用。噛んだ瞬間にバジルの香りがふわっと広がり、上部のソースがしっかりとした味わいをプラス。パン生地はやや歯ごたえのある食感で、乳製品を使っていないとは思えない満足感です。
パンだけじゃない、多彩な楽しみ方

パン工房ふらんすは、パンを購入するだけでなく、予約制のランチやかご作りのワークショップなど、さまざまな楽しみ方ができる場所です。
お客さまと一緒に少しずつ育ってきたこのお店には、やさしく穏やかな時間が流れています。
人と人とのつながりを大切にしながら、日々あたたかな輪が広がっている「パン工房ふらんす」。大和市でほっとできる場所を探している方は、ぜひ一度足を運んでみてください。
パン工房ふらんす
住所:神奈川県大和市上和田1066-7
アクセス:小田急江ノ島線 桜ヶ丘駅東口から徒歩約12分
TEL:046-267-4604
営業時間:9:00-18:00
定休日:月・火・水曜日(日曜日は不定)
駐車場:あり(3台)




















